9/9、10に行われたレイトレ合宿5‽に行ってきました。
レイトレ合宿ももう5回目だそうで、今回の舞台は諏訪湖。
私は電車で行くグループでしたが途中から乗車で上諏訪へ。長年外から眺めていただけのスーパーあずさに初めて乗りました。これは速い。
駅からは少し歩いて宿へ。諏訪姫という諏訪市公認(萌え&&ゆる)キャラが若干不安になるくらい推されているところでした。
そして入り口にはこんな掲示が。
統計が大事そうなところは似ている気がしなくもありません。 ちなみにすぐに指摘したそうで後ほど戻ってきたら直っていました。
というわけでまずは観光タイム。私はqさん、tatsyさん、Pocolさんと一緒に車で移動。 水陸両用バスで諏訪湖と街中を回るダックツアーに発車ギリギリで乗車。
なんとここにも諏訪姫。どうやら局地的に推されているわけではなさそうです。
デビュー初日で乗車2回目というガイドさんのトークを聞きながら諏訪湖のほとりを走って船着場へ向かい、そのままスロープを使って湖を出入りするというなかなか非日常的な体験でした。 なお上陸後には車体にからまった水草をとるための休憩時間があるという現実感溢れる演出もあり。 ちなみに運転士さんは大型と船の2つの免許を持っているとか。
そのあとはお昼を食べて、Pocolさん発案で試飲ができる酒蔵めぐりがあるらしいということで街中へ。
一箇所目で思ったより飲まされているうちにいい時間になったので、今回のセミナー会場の文化センターへ移動。
セミナー会場は広い部屋にいすと机が用意されていて、今までになく本格的な雰囲気でした。
とはいえ始まったセミナーはいつも通り適宜ガチ勢がツッコミを入れていく進行で、今回は3つ。
実は今回、shinjiさんとImagireさんという伝説的な方が2人も参加されていました。
セミナー1つ目はなんとそのshinjiさん。あのRedqueenを作っている方です。
20年間(!)レンダラーを作り続けているうちに考えたことのまとめといった内容でした。 CGツールとデータの互換性のない外部レンダラーの存在価値はどうなのかとか、まだ本当に描きたい空をレンダリングできる空のモデルがないとか。
そしてソフトウェアの構成はシンプルなのが一番だと。例えばベクトル演算器の幅にBVHの子の数を合わせるようなものはコードが複雑化するだけで、そんな数年で変わるようなものに注力する必要性は低いのではないか、というような。 レンダリングの本質的なアルゴリズムを大事にしようというところでしょうか。
それからすぐに試せる環境を持っておくのが大事と。 この辺はうなずきつつも中途半端に作り直している勢なので穴を掘って入りたくなります。
レンダラーは一人で書くのがいいというまるで孤独のなんとかのような言葉も。 仕事でも趣味でもレンダラーを書いているという方ならではの言葉です。
2つ目はサーバル(のハンドパペットを操るうしおさん)による、もふもふレンダリング入門(3)。 アドベントカレンダーとして公開された(1)と(2)の続きで、今回はこのMについて掘り下げます、と始まってすごーいどころではない話が展開されていく。 式の導出も丁寧に解説されたスライドがすでにアップされていますので(1)と(2)も合わせて見てもらったほうが早いです。 ここまで丁寧に解説された資料なんて見たことないレベルです。
最後はperimさんの最近のPM/MCMC系のまとめ。 以前にも似たような内容をやったので、そのアップデートというような内容とのことでした。 とはいえ同時期にほぼ同じこれとこれが出たのは有名ですが、実はその前にあったこれもほぼ同じ、とか これはローカル空間と言いましたがグローバル空間でのものがこちらです、という感じの通販番組のような解説で各手法のつながりがわかりやすかったです。
そしてそれが途中少し端折るくらいの量が出てきてこんなにあるのかという驚きも。
解説がないと論文を羅列しただけのようになってしまうかもしれませんが、資料が公開されたら見てみると面白いかもしれません。
このあと余談としてshockerさんから、ただのパストレを1とした時の各手法の実装難易度はどのくらいか、という話がありました。 思ったよりも高い点数が出てこなくて対数スケールの点数に違いないと思ったり。
なお帰り際にshinjiさんが、あれは実装した人が振り返って言っていることだから初めて実装するときにはなんだって難易度100ですよ、というようなことを言っていて納得という感じです(笑)
セミナーの後にはお待ちかねの各自の発表、のはずがなんと会場の使用時間が過ぎているので終わってくださいというまさかの展開。
続きは夕食時にやるということになってとりあえず宿へ帰ってきて、夕食まで休憩。
露天風呂の温泉から眺める諏訪湖は綺麗でした。
夕食の時間になり、レンダラーの発表をどうするのかと思ったら宴会場にプロジェクターまで設置されていて、まるで最初からこうする予定だったかのように準備万端。
参加者の発表を聞きながら食事をするという、これはこれで今までと違って面白い趣向になりました。
ちなみに作品はすでに結果とともにレイトレ合宿5‽のページにまとめられています。
この後はなぜか部屋で開かれていたスプラトゥーン大会を眺めながら投票を済まして就寝。
次の日は昨夜と同様に朝食と一緒に結果の発表。
1位はshockerさんで2連覇。去年の八丈島の空路に発想を得たという、アドベントカレンダーで触れていたボリュームレンダリングを生かした見事なシーンです。
2位はshinjiさんで、これはサイト上では静止画ですが積み上がったティーポットに球が当たって崩れる動画です。 今回ルールにアニメーションがありましたが、それで出してきたのはこれだけだったので流石という感じです。
3位はうしおさんで、あのセミナーをやっただけのことはあるという素晴らしいもふもふです。
上位陣の作品を見ているとますますシーンのクオリティも上がっています。 とはいえ技術面の評価が効いてくる傾向があるのもいい感じだと思ます。
ちなみに私は制限時間内でレンダリング未完という痛恨の結果だったのですが、ブービー賞をいただきました。
ブービー賞だそうで。らいねんはC++でじっそうしたいとおもいます pic.twitter.com/ra6Lpzf2qr
— Pentan (@c5h12) 2017年9月9日
これはいいものです。_:(´ཀ`」∠):_
この後はチェックアウトして解散。そして帰りのルートごとに時間まで観光して帰宅となりました。
こんな感じで晴天に恵まれ太陽からのフォトンも多く、内容も日差しも温泉も熱すぎるくらいの2日間でした。
来年はとりあえずレンダリングを終わらせます。
そして今回ばかりは言い訳を書きたくなりました。