レイトレ合宿6に行ってきました
9月1、2日に行われたレイトレ合宿6に行ってきました。
今年の開催地は神津島。なんとまた島です。
行き方を調べてみるとジェット船が走っていてこれはぜひ乗りたい。 飛行機も小型で魅力的だけれど座席が少ないので競争率が高そう。 というわけで夜の大型客船で行ってジェット船で帰ってくる計画を考えていたのですが、7月中旬に予約しようとしたところ帰りのジェット船がすでに満席。
この時点で帰りの飛行機の予約はまだ始まっていなかったので、行きをジェット船にして帰りの飛行機の予約をちょっと頑張ってみることに。 そして予約開始の日にwebから申し込める10:00を5分ほど過ぎたあたりでアクセスしてみたところ、午前の便はもう満席で午後の便が残り僅か。 手続きを済まして一安心と予約ページに戻ってみたら全部満席になっていました。
夏休み最後の日おそるべし。
さて、そんなこともありましたが合宿当日。 朝早くにポツポツ雨が落ちているなと思いながら最寄りの駅まできたところ見事な虹が出ていました。
今日にふさわしいフルスペクトルな朝 pic.twitter.com/smTZeCMeRC
— Pentan (@c5h12) 2018年8月31日
なにやら幸先良さそうです。
ジェット船は2階中央通路沿いの席でした。 海の上では遠景しか見えないのでスケール感がおかしくなるのですが、他の船を次々と追い抜いて行くので船としては圧倒的に速いことがわかります。 それから旋回時に飛行機のように内側に傾くのもちょっと面白い。
これが水中翼船かと堪能すること3時間と少しくらいで神津島に到着。 天候によって違う港に着くとのことでしたが、この日は島の裏側の多幸湾の三浦港でした。 こちらの港に着くと大崩壊地と黒曜石の地層が船から見られて少しお得なようです。
結構なフォトンが降り注ぐいいお天気でした。
ジェット船には私を含めて12名の参加者が乗っていました。集まってホテルの送迎バスに乗り、途中飛行場に寄って飛行機で来たもう1人と他のお客さんを乗せてホテルへ。
神津島はだいぶ山がちな地形なようで、かなりアップダウンの激しい道でした。
ホテルに着いたら荷物を預けて、セミナーまで時間があるので観光タイム。
温泉へ向かうことに。
途中砂浜の横を通りました。
レイトレといえばビーチ。ビビビビーチ!
ここは天然ものらしくガラス質のさらっとした砂が特徴だとか。
温泉へは人数の関係などで自転車組とタクシー組に分かれての移動となり、私は合計7人の自転車組に。
海沿いの道は眺めも良くて気持ちがいい…のですが結構な坂があったりしてサイクリングで島を回るには少し気合いが要りそうです。
肝心の温泉は、少し荒れ気味な海とフラクタル感溢れる岩場を眺めながらの露天風呂が最高でした。
観光の後はセミナーなどの予定だったのですが、この日はアクアスロン大会が開催されていて、ちょうど通りたい時間に通りたい道が通行止になったりして結構な人数が時間通りにたどり着けず、セミナーの開始は30分繰り下げになりました。
そしてセミナー会場の机の上には不穏な紙が。
第001回 レイトレ検定
伝説のレイトレクイズがパワーアップして帰って来ました!
問題用紙と模範回答がアップされていますので興味がある方はチャレンジしてみましょう。
面白問題からガチな問題まで、検定を名乗るだけある難易度です。
試験はたしか20分程度で終了。
次にはなんと話題のCG技術系VTuber三葉レイが動画で登場。 素敵なサプライズです。 投げやりな感じのコメントを連発するスクリーンショットが上がっていますがそれもまたVTuberらしくて良いです(笑
ていうかどう考えても参加者の中に関係者いるでしょ 余計な詮索は野暮ってもんです。
その後はセミナー。
まずはZinさんの『実装してきたこと、これからやってみたいこと』。
Zinさんは実務でもレンダラー開発に関わっているそうで、そのあたりのことも交えての話になりました。 スライドは公開されていますが、そのあたりのことは一部削除されています。
シーンデータをどうするかというのはやっぱり悩みどころだなあとか、Clangがいいらしいとか。 特に盛り上がったのがテスト関連の話で、結局レンダラーは最後にはレンダリング結果をリファレンスと見比べることになるのですが、そのリファレンスの中には前のバージョンのレンダリング結果もあるとか。 実際のテストシーンのレンダリング結果を並べたような画像を見せてくれたりして、そんなふうにやっているのかという感じでした。
テストは必要性を強く感じつつも実際にどうするのかというと思案のしどころで、とても参考になりました。
次にはishiyamaさんの『「Volume Rendering 方程式から大気散乱モデルを導く」の詳細』。
当日の資料も公開されています。
アドベントカレンダーとして公開されているドキュメントを改めて詳細に解説するような内容でした。
元の論文には暗黙の仮定が多々あって関連する論文を遡らないとわからないという大変そうな話から始まって、地球のような地面と大気のあるモデルであるとか、1つの経路上では1つの散乱現象しか起こらないとされている、というように記述された数式を読み解いていくような内容でした。
個人的に物理スカイは前々から欲しいと思いつつなかなか手が回らない悪循環を繰り返しているので、とてもありがたいお話でした。
レンダリング結果の画像はすでに順位とともにレイトレ合宿6のページに上がっています。
なおpocolさんとishiyamaさんは動画でした。
それぞれのレンダリング結果を見るともう完全にただ実装しましたというより、それでどうシーンを作ったか、どういうシーンを作りたいから何を実装したか、という戦いになったように感じます。
発表が終わったら片付けて宿に帰って夕食。 旅館らしい海の幸たっぷりの豪華な食事でした。
夜は砂浜へ出て花火大会。 火がつかなくて苦労するほどの風の強さでしたが、明かりのない浜辺は星も綺麗で楽しい夜になりました。
翌日はちょっと関与媒質が多めな朝。
朝食を済ませて最終結果の発表のためにホテルの前に集合となりました。
まずは光線追跡技術大賞の発表から。 今年初めて設けられた賞で、ホームページにノミネートされたものが書いてあります。
受賞したのはMicrosoft DirectX Raytracing。
発表以来なにかと話題が尽きないので納得の受賞です。
しかし参加者の中にはMicrosoftもNVIDIAも関係者がおらず、なぜかAMDの関係者の方が賞状を受け取ることに。 AMDのレイトレGPUを楽しみにしておきましょう。
次にはレイトレ検定の優秀者の表彰と回答の返却。
なんと最高得点を取っていたそうで、賞状をいただきました!
それぞれの得点もホームページに載っています。 実はPheemaさんが回答用紙の裏面を見逃すというお約束ネタのようなことをしていたそうで、ちゃんと回答できていれば1位だったかもしれないとのこと。 運も実力のうちという感じです(笑
そしてお楽しみの最終結果の発表。
1位はshockerさん。 絵を見たときには相変わらず綺麗だけど今回は大人しめかな…と思ったのですが解像度がなんと4k。 今年からGPUインスタンスが使えるようになってGPUでやっている様子をツイートしていたとはいえ、マシンパワーをそっちに使ってきたかという感じでした。
2位はshinjiさん。 こちらも最初はレンズに水滴がついている表現かなと思いましたが、雨の大量の水滴をレンダリングしたという代物。 遠くが霞んで見えているのはフォグなどではなく自然にそうなったとか。 ちなみにこちらはCPUでほぼ4k。
3位はうしおさん。 特に布の質感が素敵ですが全体的にこれだけ綺麗にレンダリングできているというのもすごい。Houdiniなら好きなパラメーターを楽に出せると言っていたのもそうなのかという感じでした。
なんと上位3人は去年と同じという結果になりました。
ちなみに私は19位、ビリです。しかしこんな賞品をいただきました。
コーデングは赤ちゃんレベルだけど謎の認定を授かった pic.twitter.com/8mKLLk3Oyx
— Pentan (@c5h12) 2018年9月1日
昨年より対象年齢が下がっているような(:D)ノ ̄Z
表彰が終わった後は雷が鳴りだしたので、記念撮影などをして屋内へ。
帰るまではまだ時間があるので午前の客船で帰る人たちが出発した後に赤崎遊歩道というところへ遊びに行きました。
タクシーで向かったのですが目的地に近づくにつれて雨が強くなって到着した頃にはバケツをひっくり返したような豪雨になり、泳いでいた人たちも海から上がって避難してくるような状態でしたが、しばらくすると雨も止み短い時間でしたが遊ぶことができました。
その後は午後のジェット船で帰る人もいるので浜辺のあたりに戻ってお昼。
食事の後にお土産を選んだりしているとたまたま別行動していたグループと合流。私は午後の飛行機で帰る予定だったのでそのタイミングで宿に戻り、バスで空港へ。
携帯の電波は不安定でしたが綺麗な空港でした。 午前の便は欠航だったという掲示を見て、大丈夫だろうかと思いつつ少し待つと飛行機が着陸。
19席しかない全席窓際の小型旅客機で約40分。 無事に調布飛行場へ到着しました。
ちょっとしたアクシデントもありましたが、とても楽しいレイトレ合宿となりました。
一発ネタのつもりだったSwiftを2回もやってしまいましたが次はきっと本流に戻るはず…